こんな感じでざっくりしたレイアウト検討を実施した。橙色の線で示されているのがこれから製作しようとしているリカンベントのフレームとシートバック。後ろ三角を駆動系ごと前へ移植し、前輪を後ろへ持って行って、補修用部品として販売されている24インチママチャリ用のフロントフォークで支持する。後輪支持部材として使用する分には要らないのだが、フロントフォークにはオフセットがついているのが普通であるので、その分を見込む必要がある。この時点では後輪支持用のフロントフォークは未購入だったので、ドナーバイクのフロントフォーク形状で仮置きしている。
この時点で考慮した観点は以下の4つ。
(1) ホイールベース:直進安定性に影響する。通常の自転車(リカンベントに対してアップライトと呼ぶ)であればベンチマーク情報がネット上で見つかるが、まったく見当がつかない。そこで手堅くオリジナルのドナーバイクの1050mmと同じと仮置きして先へ進める。
(2) キャスター角(ヘッドチューブ角):横安定性も含め、安定性に大きく影響するはずだが、何をどう考えて決めれば良いか、ネット上で情報を漁って定性的な考え方はぼんやりと理解しても、定量値にならない。見当がつかないのでホイールベース同様にドナーバイクの角度を踏襲することにして先へ進む。
(3) シート前後位置:正確にはシートバック位置。これはアップライトかリカンベントかを問わず、Inseam※という股下寸法が基準となる。踏み込んだペダルが下死点(リカンベントの場合は前死点という方がしっくりくるレイアウトだが)に来た際に膝がちょうど伸び切るよりも若干余裕が残るくらいが理想。前述のとおり、ドナーバイクのクランクは子供用で短いものが付いているが、完成時には大人用のクランクを組み込む想定で考える。ボトムブラケットの位置を決めるとペダル前死点の位置が決まり、そこからInseam分後方に戻し、更に自分の胴体(ないし尻)の厚み分を見込んだ位置がシートバックの位置となる。
※Inseamに尻の厚み分を含む用例も見かけたので、どちらの意味でInseamという用語を使っているか注意を要する用語。
(4)ボトムブラケットの高さ:これを決めないと(3)の検討はできない。リカンベントについての情報をネット上であさると、シートを基準にボトムブラケットの方が高いとレーシーな性格となり、ボトムブラケットをシートより下げるとコンフォートよりな性格となるらしい。自分としてはコンフォート志向ではあるが、セミリカンベント程下げるつもりもなかったので、写真のようなほぼ水平を狙った。